榎本 千賀

Chika Enomoto

教授 日本文化史・中世文学・説話文学

研究者データベース

楽しい学生生活を送りませんか? 国文科は、その期待に応えます。

関西の和歌山県出身です。和歌山県人は、おおらか。「人生なんとかなるさ」がモットー。ただ、1つ弱点が!関東の糸を引く「納豆」が駄目なんです。関西の納豆は、砂糖をまぶした「甘納豆」。東京に出てきた時、まず、びっくりしました。他のものは、なんでも大好きです。特に、うなぎには、目がありません。趣味は、多彩。紙芝居、講談、水泳、筋力トレーニングなど。また、麹町消防団第一分団に所属し、主に救急救命(AEDなど)の方で活動しています。ちなみに、大妻女子大学は、麹町消防団第二分団のエリアです。


担当の授業について

古典文学を担当しています。1年生の前期に開いている「日本文学の歴史(古典)A」では、中古の『竹取物語』や『伊勢物語』、『源氏物語』、『枕草子』を扱っています。1年生の後期に開いている「日水文学の歴史(古典)B」では、中世の『平家物語』と『方丈記』を取り上げています。また、2年生の前期に開いている「日本文学を読む(古典)A」では、中世から近世にかけて成立した御伽草子を扱っています。この御伽草子は、「一寸法師」や「浦島太郎」などがあり、現在の昔話の基になったものです。御伽草子と現在の昔話とは、大きく異なっています。その違いを楽しみます。1、2年生が共通して取ることができる「くずし宇を読む」は、Aは前期、Bは後期に開いています。今年は、『源氏物語』の「桐壷」巻をくずし宇(変体仮名)を読んでいます。くずし宇というと、学生は、最初、とまどうのですが、皆の前で発表を重ねていくうちに、どんどん慣れていきます。そして、最後には、「くずし宇って面白い!新しいものに挑戦してみたい」と変わっていきます。古典文学というと堅い印象を持たれがちですが、そうではありません。授業に関連した本物の古典作品の写本(手で写したもの)や版本(印刷したもの)や、浮世絵を見てもらいながら、古典に親しんでもらっています。また、紙芝居や落語とよく似た講談を授業に取り入れているのも特色の1つ。講談では、実際に張り扇を手に持って、パンパンと威勢良く叩きながら、簡単なワンフレーズを覚えてもらっています。


研究内容

ちりめん本とは、柔らかいクレープ状にしたもの。外国へのお土産として作られました。このちりめん本、外国人が読むため、本文は英語やフランス語などがあり、綺麗な挿絵は浮世絵師が担当しています。ちりめん本の内容も、昔話や伝説、目本の風俗など様々。このちりめん本は、東京や大阪で作られているので、その文化圏の違いを研究しています。このちりめん本も、授業で学生に見せています。

次に、街頭紙芝居研究・収集です。昭和30年代ぐらいまで、空き地や公園で、紙芝居屋のおじさんが、子供達にソースせんべいなどのお菓子を売り、紙芝居を実演していました。現在も都内では、たった1人、街頭紙芝居をなさっている方がいます。今、この街頭紙芝居が再評価されてきています。私は、マツダ映灰汁にある「蛙の会」に所属し、年1会の発表会では、街頭紙芝居を担当。この街頭紙芝居は、1点もの。目本の文化を代表する、とても貴重な財産です。そのため、街頭紙芝居を演じる以外に、収集もしています。

また、東京で街頭紙芝居をなさっている方に、街頭紙芝居が盛んだった頃のお話をうかがっている最中。こちらも、単行本として本にまとめることになっています。

所属している蛙の会の発表会で、街頭紙芝居「妖精ベラ」を熱演しているところです。「妖精」というと、いいイメージを持ちがちですが、ベラは、悪い少女?です。

上野広小路亭で、月に1回、講談師神田紅先生の紅塾があります。これは、紅塾の発表会の時のもの。吉良上野介を討ち取った赤穂浪士の中の1人に、赤坂源蔵という人物がいますが、「赤塩原蔵徳利の別れ」の一席を披露しているところです。