中尾 桂子(Keiko Nakao)准教授日本語学

中尾 桂子(Keiko Nakao)

奈良県生まれ。子どもの頃は,古都の年中行事や自然の周期に合わせて1年が回っていました。 古いものに囲まれて育ったせいか,寺社仏閣,古墳や遺跡を巡るのが好きです。その一方で新し物好きで「吹き矢」と「カヤック」などもやってみたりしています。また,お茶が好きで,煎茶,中国茶,紅茶をいろいろ試しています。

たかが言葉,されど言葉・・・うまく遣えば,生かせるモノに・・・

担当の授業について

国文科開講の日本語関連の授業はいろいろありますが,「現代の日本語」という授業では,日常の文字の使い方,語の意味や構造,文の意味や構造について考えます。実際の言葉の遣い方に基づいて,考え方や言葉に関する知識を養います。「文章表現」という授業では,場面や相手により言葉を遣い分ける訓練を行い,それを通して社会的な言葉と私的な言葉の生かし方を学びます。2年次に日本語学系のゼミを選択した場合は,日常生活にみられる言語現象を取り上げて考察し,卒業論文としてまとめます。

言葉について考えるとき,自分の遣う言葉をベースにするのですが,自分の言葉を考えるということは,言い換えれば,自分自身を見つめ直すことです。また,言葉をよく知ることで,その使い方,生かし方に気がつくのですが,それは同時に自分をよく知り,うまく生かすことにつながります。つまり,自分が普段使っているものをよく見ることは,自分自身を豊かにしていくことになるのです。したがって,言葉を見つめ直すことは,言葉を,そして自分自身を豊かにするきっかけとなります。「言葉にする」ということは,曖昧にならず,上手く伝わるように工夫することですから,自己演出なのですが,うまく遣えば,「なりたい自分になる」ことができるものなのです。

研究内容

ヴェトナム難民の方々と出会ったのがきっかけで,大学を卒業後、日本語教師になり,私よりずっと「大人」の人々に日本語を教えていました(反対に,外国人には,日本語を教えることはどういうことかを教えてもらっていました)。あるとき日本の小学校に転入して来た外国人の子どもに日本語を教えることになりました。それをきっかけに,日本語教育で言う「基本」とか「文型」って何だろうと思うようになりました。そして,語学教育用の「文型」というのは,本当に文の基本の型なのか,小学校の教科書が基本文型だけで読めるのか,気になって調べてみました。これを手始めに,コンピュータで大量の日本語を処理するという技術,計量的な言葉遣いの調査やその手法に関心を持つようになりました。

日本語教育は実用的な言葉の遣い方を勉強する外国人のための語学教育ですが,その知識を応用して,今度は日本人のための実用的な言葉,文章の書き方にも関心を持っています。

現在は,コーパス言語学,文章表現指導,そして,コンピュータで日本語をいかに扱うかという観点からテキストについて考えていますが,そのかたわら,e-learningシステムを開発したりしています。

中尾 桂子(Keiko Nakao)先生紹介

El astronauta de la cathedral en Salamanca
ヨーロッパの聖堂(カテドラル)には多くのレリーフが彫られていますが,サラマンカ(スペイン)のカテドラルには宇宙飛行士のレリーフがありました。中世から続く重厚な世界遺産も確かに今を共有しているのですね。スペイン日本語教育研究会への参加で12年ぶりにスペインのサラマンカへ行ってきたときの写真です。
2015年度に在外研究でサラマンカ大学日西センターに所属していましたが、その時も、折に触れて、カテドラルに行っていました。カテドラルの中もすばらしいですが、街自体が世界遺産なだけあって、本当に、美しいところです。機会があればいらしてください。

中尾 桂子(Keiko Nakao)先生紹介

ただ一滴をただ楽しむために…
「朱泥の急須から,緑を含む琥珀色の玉液を,二三滴ずつ,茶碗の底へしたたらす… 濃く甘く,湯加減に出た,重い露を,舌の先へ一しずくずつ落して味わって見るのは閑人適意の韻事… ただ馥郁(ふくいく)たる匂が食道から胃のなかへ沁み渡るのみである」
 夏目漱石『草枕』より