国文科では、社会に出てからも、国文学について学ぶ機会を得たい方に、社会人枠での受験の機会を設けています。
大学の規定により、提出書類、小論文、面接等により志願者の能力・適性・学習意欲等を総合して判定しますが、国文科では、2年間を有意義に使いたい、学びたいと思っている積極性を評価します。
国文科の入学者の多くは、確かに、高等学校の新卒者ですが、社会人の割合も一定数います。いろいろな背景の学生と意見を交換することで、日本の文化や文学について改めて考えることで、自分自身の中の豊かさの層を厚くしていただけることと思います。
私は一度社会人や主婦を経てからの入学でしたので、最初は授業について行かれるかどうかだけでなく、年齢の離れた仲間たちと一緒に、楽しく充実した大学生生活を送ることが出来るかも不安でした。
しかし、それが取り越し苦労に過ぎないとわかるまでに、それほど時間はかかりませんでした。それは、親切にご指導くださった先生方をはじめ、クラスの仲間、また先輩や後輩たちのおかげです。
漱石の『三四郎』を題材にした1年次の「日本文学・文化講義」では、作品を通して作者の内面や時代背景までをも知ることができ、それをみんなの前で発表したことが、『卒論』を書く上で大いに役立ちました。また、2年次の「くずし字を読む」では、慣れるまで苦労しましたが、今では古い屏風や掛け軸の文字も読めるようになりました。こうした貴重な経験は、これからの人生をさらに豊かで、深いものにしてくれるだろうと思っています。
国文科では、『竹取物語』『一寸法師』、さらに漱石の『三四郎』や鴎外の『舞姫』などに触れ、それらの作品を通して様々な価値観があることも理解できました。学ぶことの楽しさ、面白さを体験できたことは、私のこれからの人生において、何よりも大きな糧になるものと思っています。
(2016年度卒業生)
もともと私は日本の文学や古典に興味があり、いずれは大学で学びたいという夢を持っていました。唯一の不安は50歳という年齢と主婦業との両立でした。しかし、入学前のオープンキャンパスに参加し、そこで世代を超えた若い人たちと接したり、学内の雰囲気に触れたりしたことで、私でも大丈夫と確信できました。時間割は学生生活のリズムを失わないよう、月曜日から金曜日に集中させ、土曜日は家事に充てることにしました。