みなさん、こんにちは。
住居関連の科目を担当しております。
住まいにとって必要なことは、6つ程あると私は考えていますが、一般に多くの皆さんがまず思いつくのは、
・地震、火災、防犯面で安全であること(安全性)
・環境面で過ごしやすいこと(快適性)
・生活スタイルに応じた使いやすさ(利便性)
の3つかと思います。
今は梅雨明け間近で、暑い日が続いていますので、快適性についてお話し致します。
これは建築環境・建築設備を考えることにつながっており、熱、空気、光、音、水などに関わるテーマになります。
昨今の夏の暑さでは、エアコンなどの建築設備無くしては乗り切ることが難しい状況でありますが、まずは基本として、昔からある知恵や工夫を大切にしたいものです。吉田兼好が書いたとされる随筆「徒然草」の‘家のつくりようは、夏をむねとすべし’ という言葉は、多くの皆さんがご存知かと思います。冬の寒さに対しては、火をおこすことで暖をとることはできました。しかし、技術的に冷やすことが出来るようになるのはまだ先のことになります。
さて、ここでエアコンの存在の前に考えておきたいことは、風通しです。
みなさんの住まいには、どこにどんな「窓」があるでしょうか?
風の入口と風の出口を確保出来てこそ、風が通ります。しかし、現代は隣の建築との距離も近く、プライバシー面などさまざまな事情から、風通しの視点で十分に開放できる窓は、実現しにくい状況になっています。賃貸にせよ、分譲にせよ、戸建てにせよ、集合住宅にせよ、窓は必ずありますが、入居後に窓の位置を変更することは容易ではありません。
そこで、快適性の視点で、すでに入居している部屋の窓廻りの日射遮蔽の工夫に加えて、インテリアコーディネートを考えることも有効です。一例ですが、リフォームで壁のビニルクロスを新しくするということは珍しくありません。この時に少し壁の素材を調べてみてください。壁紙であれば、調湿性能があるものに注目してみると良いでしょう。その性能は、もともとは日本の伝統的な住まいで用いられてきた土壁や漆喰壁が持っている特徴です。近年は珪藻土も注目されています。私の経験上では、漆喰、珪藻土の壁に囲まれた部屋の温湿度感は快適です。
安全性、利便性は、建築設計レベルでの検討において比重が大きいと思われますが、広義の快適性においては、インテリアコーディネートのレベルで、まだまだ出来ることはたくさんあります。
家政科家政総合コースの住居系科目は、豊富な事例をもとに基礎から応用的な内容も加味しながら、この夏休みも集中講義を予定しています。

文責 谷口 新(家政総合コース)